がん検診の有効性

がんが早期発見された場合と進行後に発見された場合では、その後の生存率に大きな差が生じます。がんにかかってしまった場合、いかに早期に発見できるかは非常に重要ですが、多くのがんには早期の段階では自覚症状がないため、早期に発見するためには定期的に検診を受けるよりほかはありません。

ただし、どのようながん検診にも不利益は伴います。世の中で提供されているがん検診の中には、利益よりも不利益が勝ってしまうものも存在します。自治体が対策型検診として住民に提供すべきなのは、科学的根拠に基づく検診(=その検診を実施することで検診対象者のがんによる死亡率が減少することが明らかな検診)に限られます。

科学的根拠に基づいた有効な検診を、精度管理で質を高めた上で多くの人に受診してもらう、そのような総括的アプローチががん検診事業には不可欠なのです。

早期発見と進行後発見の生存率には大きな差が。早期の発見が大切

利益より不利益が勝ってしまう効果のない検診も。科学的根拠に基づく検診を正しく実施

欧米諸国に比べ、まだまだ受診率が低い日本

このように重要ながん検診ですが、日本では、欧米諸国に比べてもまだまだ受診率が低いのが現状です。
しかし、逆に言うと、受診率を向上することで多くの命を救うことができるのです。